データの概要

ラジプローブによる空間線量率の測定結果 ( H24.9.25~H24.10.7 )
  1. 本データは、文部科学省が平成24年 9月25日から平成24年 10月7日まで測定した走行サーベイの結果を基に作成した。
  2. 測定では、独立行政法人放射線医学総合研究所で開発されたラジプローブを使用した。
  3. プローブとしては、Mirion Technologies社製 HDS-100GN CsI(Tl)スペクトロメータ、日立アロカメディカル社製TCS-172B、およびCANBERRA社製Falcon5000電子冷却式ポータブルGeスペクトロメータを使用した。空間線量率の計測はHDS-100GNとTCS-172Bにより測定した。134Cs/137Cs比はFalcon5000にて計測を行なった。
  4. モニタリングカー(以下、モニカー)の筐体による遮蔽のために、車内での計測結果は車外の計測結果とは異なっている。また、今回使用したモニカーは、福島第一原発の水素爆発の直前から旧オフサイトセンター近辺で活動したためタイヤハウス等の汚染が残っていることが確認されており、モニカー車内での計測では車体からのバックグランドの影響がある。以上のモニカーの遮蔽効果、バックグランドの補正のために、複数の地点(較正地点)において各プローブを車外に設置して計測したデータと車内でのデータを比較し、補正式を求めた。

    ■空間線量率の計測について
    モニカー走行中はHDS-100GNを連続的に動作させデータを取得した。較正地点では、車内と車外の空間線量率を比較する際に、HDS-100GNとTCS-172Bの両者で計測を行なっている。データは車外の地面からの高さ1mにおいてTCS-172Bにより得られた値に較正しており、HDS-100GNとTCS-172Bの計測結果を比較することで変換している。まず、車内でのHDS-100GNの計測値 Dinから以下の式(1)を用いて車内でのTCS-172Bの値 D’inに変換する。
     空間線量率Dinの式
    D’inから車外での空間線量率(D’out ,TCS-172B換算)への変換式は次のとおりである。
     空間線量率Doutの式2-1
    D’inが1μSv/h以上の場合には、
     空間線量率Doutの式2-2
    として、車外における高さ1mでの空間線量率を求めた。

    134Cs/137Cs比の計測について
    Falcon5000により得られた単位時間毎のγ線スペクトルの解析は以下の方法で求めた。
    • ① 134Cs、137Cs及び40Kのγ線の光電ピークを2次微分法により見つけ出し、波高分析装置のチャンネル値をエネルギーに変換する。特に低線量率地域においては統計誤差のためピークが判別しがたいために、計測地点の前後15分間のデータを積分しピークサーチを行った。
    • ② 光電ピークの値は、周辺環境の温度変化による検出器の応答の変化、あるいは、供給電源の不安定性により変動しているので、134Csおよび40K等の主要な光電ピークを利用して、エネルギー較正を行った。
    • ③ Falcon5000のエネルギー分解能(FWHM)は、エネルギーに概ね依存せず60~1333keVに対して5 keV以下(平均4.1keV)である。そこで、5keVを仮の半値幅と定義する。
    • ④ 各γ線ピークに対して、上記の仮のFWHMの2.5倍分をプラスおよびマイナスした値を各ピークの拡がりの上下の境界とし、直線近似することでピークの位置でのバックグランドの値を決定する。次に、そのピークの真のFWHMを計算した。真のFWHMと仮のFWHMを比べて大きいほうをwとし、ピーク面積の計算に用いる。これは積算時間内に大きな温度ドリフトがあった場合に正しくピーク面積を計算するためである。
    • ⑤ 137Cs では662keVを中心として、134Cs の測定では796keVと802keVのピークの間の799keVを中心として-1.5w ~ 1.5wをピーク領域とし、また、-3w ~ -1.5wと1.5w ~ 3wをバックグランドを決めるベースラインとして、コベル法により各ピークの面積(γ線の個数)を計算した。137Cs からの662keVの正味の計数、134Cs からの796keVの正味の計数を求めた。134Cs の796keVと802keVのピークについては、今回使用した計測システムでは重なってしまうので、134Cs の796keVと802keVのγ線放出比を用い796keVだけの計数を計算した。
    • ⑥ 各光電ピークの計数から、表面汚染密度(Bq/cm2)を計算することができる。この際、以下の仮定の下で補正をする。
      • (ア) 無限平面上の表面が汚染されているとし、放射性セシウム濃度が表面から深さ方向に指数関数で減少し、表層の平均1 g/cm2に汚染が広がっている。
      • (イ) Ge検出部は円柱形状をもっているが、光電ピーク効率は円柱の軸に対して概ね対称性があることが実験から分かっている。軸対称性を仮定し、実験室における較正用線源を用いた光電ピーク効率の入射方向依存性の計測結果からFalcon5000の光電ピーク効率の方向依存性モデル(軸対称モデル)を構築し、それを使用する。
        この時、表面汚染密度は、以下の式(3)で表される。
         表面汚染密度の式
        ここで、Eはγ線のエネルギー、NEは上記④、⑤で求めた正味のピーク計数、bEはバックグランド計数率(ピーク成分)、tは計測時間(ライブタイム)、kEはFalcon5000の光電ピーク効率の方向依存性や放射性セシウムの土壌深さ方向の汚染分布の効果を含めた幾何係数、sEはモニカー筐体のγ線透過率、ηEはモニカー内外での計測高さ補正係数、πr20、ε0Eはそれぞれ、正面から見た時のGe検出部の断面積と光電ピーク効率、γEは核種の1崩壊あたりのγ線放出率である。

        式(3)を134Csの796keV、137Csの662 keVに適用することで表面汚染密度が求められる。また134Cs/137Cs比は次の式(4)のように求めることができる。
         134Cs/137Cs比の式
        本データ解析において使用した係数は以下のとおりである。
        Energy 662 keV 796 keV
        bE[cps] 2.13 1.28
        k 0.773 0.824
        35.3 % 36.8 %
        r0[cm] 3
        ε0 15.6 % 12.9 %
        γE 85.1 % 85.5 %

    • ⑦ 134Cs/137Cs比の計測では、空間線量率が低い場合は十分な精度が得られないことが多い。そのため統計誤差が10%未満となるものだけを値として採用した。
ラジプローブによる空間線量率の測定結果 ( H23.12.13~H23.12.21 )
  1. 本データは、文部科学省が平成23年12月13日から平成23年12月21日まで測定した走行サーベイの結果を基に作成した。
  2. 測定では、独立行政法人放射線医学総合研究所で開発されたラジプローブを使用した。
  3. プローブとしては、Mirion Technologies社製 HDS-100GN CsI(Tl)スペクトロメータおよびCANBERRA社製Falcon5000電子冷却式ポータブルGeスペクトロメータを使用した。空間線量率の計測はHDS-100GN、134Cs/137Cs比はFalcon5000にて計測を行なった。
  4. モニタリングカー(以下、モニカー)の筐体による遮蔽のために、車内での計測結果は車外1 m高さの計測結果とは異なっている。また、今回使用したモニカーは、福島第一原発の水素爆発の直前から旧オフサイトセンター近辺で活動したためタイヤハウス等の汚染が残っていることが確認されており、車内での計測では車体からのバックグランドの影響がある。以上のモニカーの遮蔽効果、バックグランドの補正のために、いくつかの地点においてプローブを車外1 mの高さに設置して計測したデータと車内でのデータを比較し、補正式を求めた。

    ■空間線量率の計測について
    HDS-100GNにより得られた車内での計測値Dmから以下の式(1)を用いて車外の空間線量率Dを計算した。
    空間線量率Dの式   (1)
    ここで、sdはモニカー筐体の透過率、κはHDS-100GNの校正係数、cはモニカーの汚染等の寄与を補正する係数である。sdは0.617、κは1.04、cは-0.08 μSv/hである。

    134Cs/137Cs比の計測について
    Falcon5000により得られた単位時間毎のγ線スペクトルの解析は、文部科学省放射能測定法シリーズ7ゲルマニウム半導体検出器によるγ線スペクトロメトリー、シリーズ33ゲルマニウム半導体検出器を用いたin-situ測定を参考にし、以下の条件・手順で行われた。
    • ① 134Cs、137Cs及び40Kのγ線の光電ピークを2次微分法により見つけ出し、波高分析装置のチャンネル値をエネルギーに変換する。特に低線量率地域においては統計誤差のためピークが判別しがたいために、計測地点の前後15 分のデータを積分しピークサーチを行った。
    • ② 光電ピークの値は、周辺環境の温度変化による検出器の応答の変化、あるいは、供給電源の不安定性により変動しているので、134Csおよび40K等の主要な光電ピークを利用して、エネルギー校正を行った。
    • ③ 40Kのピークに対してその半値幅(FWHM)を決定し、FWHMの値をその計測点での仮のエネルギー分解能と定義した。
    • ④ その他のγ線ピークに対して、上記の仮のFWHMの2.5倍分をプラスおよびマイナスした値を各ピークの拡がりの上下の境界とし、直線近似することでピークの位置でのバックグランドの値を決定する。次に、そのピークの真のFWHMを計算し、-1.4*FWHM ~ 1.4*FWHMをピーク領域とし、-2.8*FWHM~-1.4*FWHMと1.4*FWHM~2.8*FWHMでベースラインとして、コベル法により各ピークの面積(γ線の個数)を計算した。
    • ⑤ 137Cs からの662keVの正味の計数、134Cs からの796 keVの正味の計数を求めた。134Csの796 keVと802 keVのピークについては、今回使用した計測システムでは重なってしまうので、134Csのγ線放出比から796 keVだけの計数を計算した。
    • ⑥ 各光電ピークの計数から、表面汚染密度(Bq/cm2)を計算することができる。この際、以下の仮定、補正をする。
      • (ア) 無限平面上の表面が汚染されているとし、放射性セシウム濃度が表面から深さ方向に指数関数で減少し、表層の平均1 g/cm2に汚染が広がっている。
      • (イ) Ge検出器はγ線エネルギーに依存せず等方的な感度を持つ。
      • (ウ) モニカー筐体の透過率および車体の汚染によるバックグランドについては、後述の係数を利用し補正する。
        この時、表面汚染密度は、以下の式(2)で表される。
        表面汚染密度の式   (2)
        ここで、Eはγ線の工ネルギー、NEは上記④、⑤で求めた正味のピーク計数、bEはバックグランド計数率(ピーク成分)、tは計測時問、kEは幾何係数、sEはモニカー筐体のγ線透過率、ηEはモニカー内外での計測高さ補正係数、πr2effはGe検出器の実効面積、εEはFalcon 5000の光電ピーク効率、γEは核種の1崩壊あたりのγ線放出率。

        式(2)を134Csの796keV、137Csの662 keVに適用することで、134Cs/137Cs比は次の式(3)のように求めることができる。
        134Cs/137Cs比の式   (3)
        本データ解析において使用した係数は以下のとおりである。
        662 keV 796 keV
        bE 2.58 cps 2.13 cps
        k662/k796 0.966
        (s662 η662)/ (s796 η796) 0.935
        ε662/ ε796 1.22
        γE 85.1 % 85.5 %

  5. 134Cs/137Cs比については、空間線量率が低い場合(0.26 μSv/h未満)は十分な精度が得られない。統計誤差を10%程度以下に抑えるため、空間線量率が0.26 μSv/h以上のデータを登録(0.26 μSv/h未満の134Cs/137Cs比及び統計誤差のデータは不記載)。
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ラジプローブによる空間線量率の測定結果 ( H24.9.25~H24.10.7 )
ラジプローブによる空間線量率の測定結果 ( H23.12.13~H23.12.21 )
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